京都府立高等学校教職員組合(府高教組)における「たたかいのしおり」および「たたかいのてびき(たたかいの重点と具体的なすすめ方)」は、職場の教職員が自らの権利や勤務条件を守り、民主的な学校づくりと教育実践を前進させていくための実践的な小冊子・運動指針です。
主な役割と内容は以下の通りです。
1. 「たたかいのしおり」の役割と特徴
- 現場の実践的バイブル:職場や地域で子どもと教育を守り、教職員のくらし・権利・平和を守る運動を進めるための「大切なバイブル」として作成・改訂されてきました。
- 要求の前進と民主的な職場づくり:教育改革や管理強化などの情勢に対応しながら、府立学校で働くすべての教職員の切実な要求(勤務条件の改善や人権保障など)を実現し、働きがいのある民主的な職場をつくるための基礎知識や理念がまとめられています。
- 使いやすさの工夫:分会活動でより読みやすく、より使いやすく役立つよう、時代の変化に合わせて判型や内容の改訂が重ねられてきました。
2. 「たたかいのてびき」(たたかいの重点と具体的なすすめ方)と分会活動
- 要求一覧と方針の確立:定期大会などで「たたかいの重点と具体的なすすめ方」といった指針が提起され、「すべての職場で要求一覧と方針を持とう」という分会活動の根本原則が示されました。
- 具体的な運動手法の提起:職場での要求集約(アンケートや要求署名)の工夫(団体名・著名人と個人用名を結ぶ「首・分会方式」など)や、校長交渉、地域住民と連携した住民要求運動の具体的な進め方の手引きとして機能しました。
このように、単なるルールの解説書にとどまらず、「職場の分会で仲間が集まり、声をあげて教育環境を改善していくための実践的ガイド」として大きな役割を果たしてきました。
一方で、資料には府高教組(府高)や京教組が、組合員や分会役員が職場での権利を守り運動を進めるために発行・活用している各種の実践的なマニュアルや手引き・ガイドブックについて詳しく記載されています。主な内容は以下の通りです。
京都府立高等学校教職員組合「たたかいのしおり●2005.3」の目次
第1章 教職員組合運動の基本 Ⅰ労働基本権の確立をめざして Ⅱ校長交渉
第2章 賃金と手当 Ⅰ 教職員賃金のきまり方 Ⅱ賃金諸手当 Ⅲ退職手当
第3章 私たちの権利 Ⅰ教職員の権利と労働条件の改善 Ⅱ勤務時間、時間外労働、週休二日制
Ⅲ年次休暇・特別休暇・病気休暇・介護休暇・専免 Ⅳ女子教職員の権利拡大
Ⅴ教職員人事について Ⅵ教職員の政治活動・選挙活動
第4章 教職員の定数
第5章 公務災害補償闘争 Ⅰ公務災害と補償制度 Ⅱ公務災害認定請求と不服審査制度
第6章 年金、教職員の共済制度
資料
京都教職員組合『たたかいのてびき●2010.3』目次
第1章 賃金と手当
第2章 私たちの権利
第3章 定数・人事闘争
第4章 臨時教職員の賃金と権利
第5章 公務災害と補償制度
第6章 再任用制度
第7章 教職員の政治活動・選挙活動
3.2010年以降の状況
なお、2000年代には2010年3月に京教組から「たたかいのてびき(2010年版)」が出されて以降、冊子としては更新されていません。しかし、その後の法改正や当局との交渉により、つぎつぎと内容が更新されてきたため、毎年「賃金編」「権利」編のリーフレットがその代わりをしており、さらに身近にその内容を知ることが出来るように もつくられました。臨時教職員向けの「りんりんパンフ」も発行しています
また、それぞれのテーマ毎に「たたかいのてびき」にかわる次のようなパンフやリーフも発行されています。
『分会活動のヒント』(分会運営のマニュアル)
職場分会を活性化し、教職員の要求を実現するための総合的なガイドブックです[1]。
- 組合の基本と組織:労働組合の目的(要求実現)や組織の仕組みを解説[1]。
- 元気な分会活動:全員参加の年間計画づくり、組合員の拡大、職場新聞の発行、気軽に集まれる学習会や教研の開き方など[1]。
- 分会役員の各種手続き:分会補助金の活用、組合費の仕組み、要求書の作成方法、共済(京教済)やろうきんの案内など[1][2]。
- 困りごと相談:「分会会議に人が集まらない」「組合員が少ない」といった現場の悩みに答えるQ&A[2]。
校長交渉の手引き(「校長交渉10の覚え書き」・シミュレーション)
職場での労働条件や環境改善のために、校長と対等な立場で交渉(団体交渉)を行うための実践的なガイドです。
- 法的根拠と対等平等:憲法28条や地方公務員法第55条に基づき、分会長と校長は労働条件に関して対等平等であることや、管理職の受忍義務について明記しています[3]。
- 事前準備と進め方:事前申し入れ、職場の切実な要求書作成、時間内交渉の設定手順[2]。
- 校長交渉10の覚え書き:
- 厳しい対決となっても節度と道理を忘れない[4]。
- 法令・規則をよく学び理論的裏づけをもつ[4]。
- 要求は組合員の意思統一と十分な論議を経たものにする[4]。
- 教育の専門家としての立場を踏まえて進める[4]。
- 校長に学校管理・運営上の責任者の立場に立たせる[7]。
- 妥協する場合は一定の前進と団結強化につながる内容とする[7]。
- できるだけ多数の組合員が参加する[7]。
- 確認事項は文書(覚書・メモ)で交換する[7]。
- 交渉結果は速やかに全教職員へ伝え職場新聞等で知らせる[7][8]。
- 校長権限外の事項は教育委員会へ上申させる[7]。
4. 各専門部・分野別のサポート手引き・パンフレット
- 『教職員の労安活動(ハンドブック)』:衛生委員会の運営、職場巡視、過勤是正やメンタルヘルス対策を進めるための手引き。
- 『次世代育成支援ハンドブック』/『権利リーフ』:妊娠・出産・育児・介護などの権利と加配制度を周知・活用するための資料。
- 『教員採用選考試験 対策ブック』:臨時教職員の正規化(突破ゼミ)をサポートする学習用冊子。
- 『養護教諭の仕事って? 今一度、みつめてみませんか』:1人配置などで孤立しがちな養護教諭を支えるパンフレット。
